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色彩対比
錯視はかたちの知覚だけでなく、色の知覚においても様々な現象が見られます。同じ色でもいくつかの条件下では異なる色のように見えたり、物理的に色が存在しないところに色があるように知覚されたりします。
色相対比・明度対比・彩度対比
同色の色チップを2つ用意し、その色チップを囲むように異なる2色の背景を配置します。
すると、同色であった色チップが背景色に影響されて異なった色のように見えます。このような知覚現象を色彩対比とよびます。
色彩対比には、
- 色相の変化が観察される色相対比
- 明度の変化が観察される明度対比
- 彩度の変化が観察される彩度対比
があります(図2-5-1)。
対比効果を顕著に示すには、背景となる2色の色差を少なくし、その中間となる色を色チップ(対比する色)に選びます。
また、色彩対比は、色相、明度、彩度の対比を複合して知覚することもできるため、厳密に色相対比を観察する場合には、対比する色と背景となる2色の明度と彩度は等しくしておかなければなりません。
同様に明度対比の場合は色相と彩度を一定にし、彩度対比の場合は色相と明度を一定にしておく必要があります。