〈レクチャー5〉色を表す方法

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表色系 —色相・明度・彩度—

色は様々な条件によって見え方・感じ方が変わってくるため、厳密に伝達することは難しいと思うかもしれません。
しかし、光源や観察の条件を規定し、記号化することによって色はある程度、正しく伝達することができます。
色を定量的に配列し、体系化したものを表色系(ひょうしょくけい)(カラー・オーダー・システム)とよびます。

マンセル表色系

マンセル表色系における色の3属性は、

色相(Hue)
明度(Value)
彩度(Chroma)

とし、色立体に表すことができます(図2-3-1)。

色相(Hue)

色相は、基本となる赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、紫(P)の5色相を円環上に等間隔に置き、その中間色相となる橙(RY)、黄緑(YG)、青緑(BG)、青紫(PB)、赤紫(RP)を置き、合わせて10色相を基準とします(図2-3-2)。
各色相は、さらに10等分され100色相となり、赤(R)の中心となる色相は「5R」と表記します。

明度(Value)

明度は、光を完全に吸収する理想的な黒を明度0とし、逆に光を完全に反射する理想的な白を明度10として、計11段階に分割されます。

色立体では、縦軸に相当し、上方に向かって理想的な白に近づき、下方に向かって理想的な黒となります。
また、色立体の縦軸の中心は無彩色となり、ニュートラル(Neutral)のNを頭文字として付けて、明度段階に合わせて「N5」のように表記します。

彩度(Chroma)

彩度は色味の鮮やかさを示す尺度で、完全な無彩色の場合は0となり、彩度の表記はしません。色味が鮮やかになっていくに従って数値が高くなります。

しかし、色票が示すことができる限界の彩度があり、紫、赤、黄には、彩度の高い色票がありますが、緑や青には彩度の低い色票しかありません。

マンセル表色系の表記法は


「Hue/Value/Chroma」

で示し、鮮やかな赤は

「5R 5/18」

のように表記します(図2-3-3)。

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